フィリピンの「セブ島」とインドネシアの「バリ島」は、どちらも日本人に人気のリゾート地です。透き通る海と美しい自然、魅力的な文化が特徴のこれらの島々は、それぞれ異なる魅力を持っています。
今回は、セブ島とバリ島の概要を比較しながら、旅先の参考にしていただける情報をお届けします。
セブ島・バリ島の概要

セブ島とバリ島は、東南アジアを代表する観光地です。セブ島はフィリピンの中部に位置し、海洋アクティビティが豊富で気軽に訪れることができます。
一方、バリ島はインドネシアの島々の中で特に人気が高く、独特の文化や自然美が訪れる人々を魅了します。
セブ島とは
セブ島は、フィリピン中部に位置する細長い島で、マクタン国際空港を玄関口に年間200万人以上の観光客が訪れます。最大の魅力は、何と言ってもエメラルドグリーンに輝く海。アイランドホッピングやジンベエザメと泳げるオスロブ体験、シュノーケリングにダイビングなど、海のアクティビティが豊富に楽しめます。
また、セブ市内にはスペイン統治時代の面影を残す歴史的建造物も点在し、文化的な散策も可能です。物価が比較的安く、現地グルメやスパも気軽に楽しめるのもポイント。日本からは直行便で約5時間と、週末旅行にもぴったりなアクセスの良さも魅力です。
バリ島とは
バリ島は、インドネシアの約1万7000もの島々の中で最も人気の観光地の一つです。豊かな自然と、ヒンドゥー教文化が色濃く残る独自の伝統が特徴的です。世界的に有名なウブドでは、棚田や寺院巡りを楽しむことができ、クタやヌサドゥアのビーチエリアではサーフィンやリゾートステイを堪能できます。
日本からは直行便が少ないものの、多彩なアクティビティや異文化体験を求める旅行者にとって非常に魅力的な選択肢となっています。
セブ島・バリ島を徹底比較

セブ島とバリ島はどちらも日本人観光客に人気ですが、旅費や滞在日数、フライト時間、気候などに違いがあります。
これらの要素を比較して、自分に合ったリゾート地を見つけましょう。さらに、豪華な5つ星ホテルや治安状況についても詳しく解説します。
セブ島・バリ島の旅行費用
セブ島は日本からのフライトが短く、直行便も多いため航空券が比較的安価です。現地の物価もリーズナブルで、食事や交通費も抑えられるため、コストパフォーマンスが非常に高いです。
一方、バリ島は日本からの直行便が少なく、航空券がやや高めです。ただし、宿泊施設や食事の選択肢が豊富で、高級リゾートでも手頃な価格で滞在できる点が魅力です。
セブ島・バリ島のおすすめ旅行日数
セブ島は近距離という利点から、3泊4日や4泊5日の短期旅行でも十分楽しめます。週末を利用した弾丸ツアーも人気です。
対して、バリ島は移動時間を考慮すると最低5泊6日以上がおすすめです。観光スポットが広範囲にわたるため、ゆっくりと時間をかけて滞在することで満喫できます。
セブ島・バリ島のそれぞれのフライト時間
日本からの直行便を利用した場合、セブ島までは約5時間、バリ島までは約7時間半が目安となります。セブ島へは成田や関西空港からの直行便が運航されており、時差もわずか1時間と、短い旅行期間でも無理なく楽しめる点が魅力です。
一方、バリ島へは成田、関空、中部空港などから直行便があり、時差は1時間。移動時間がやや長めな分、長期のバカンスに向いています。フライトの短さを重視するならセブ島、非日常感やゆったりした滞在を求めるならバリ島が適しています。
セブ島・バリ島のベストシーズン
セブ島のベストシーズンは、乾季にあたる12月〜5月頃。特に3月から5月は晴天が続き、マリンアクティビティにもベストな時期です。台風の影響を受けにくいエリアのため、年間を通じて比較的天候が安定しているのも特長です。
一方、バリ島のベストシーズンは乾季である5月〜10月。特に6月から8月にかけては湿度が低く、朝晩も過ごしやすい快適な気候が続きます。雨季は11月〜4月頃で、短時間のスコールが多いものの、観光には大きな支障が出ないことも多く、比較的空いているためこの時期を狙う旅行者もいます。
セブ島・バリ島の5つ星ホテル
セブ島とバリ島には、世界中の旅行者を魅了するラグジュアリーな5つ星ホテルが数多く点在しています。美しい海を望む絶好のロケーションや、極上のスパ体験、美食を堪能できるレストランなど、どちらの島も高級リゾートならではの非日常を満喫できます。
ホテルステイそのものが旅の目的になるほどの魅力があり、カップルやハネムーンはもちろん、ファミリー層からの人気も高まっています。
セブ島の有名5つ星ホテル
セブ島で代表的な5つ星ホテルといえば「シャングリ・ラ マクタン セブ」。マクタン島に位置し、白砂のプライベートビーチと広大なトロピカルガーデンが魅力の高級リゾートです。全530室を超える客室からは、オーシャンビューやガーデンビューを楽しめ、1泊あたりおおよそ35,000円〜。
スパ施設「CHIスパ」では、フィリピン伝統のヒロットマッサージが堪能でき、心身ともに癒されます。ホテル内には4つのレストランがあり、新鮮なシーフード料理も大きな楽しみのひとつ。近くには歴史あるラプラプ像や、アイランドホッピングの拠点となる港もあり、アクティビティと観光の両方を満喫できるホテルです。
バリ島の有名5つ星ホテル
バリ島で絶大な人気を誇るのが「アヤナ リゾート&スパ バリ」。ジンバランの断崖に建つこのラグジュアリーホテルは、インド洋を一望する絶景と、ロックバーでのサンセットカクテルが名物です。
1泊あたりの相場は約40,000円〜。リゾート内には19のレストランとバー、12のプール、バリ式スパなどが揃い、敷地内だけで1日中楽しめるほどの充実ぶりです。周辺にはウルワツ寺院やケチャダンス鑑賞スポットもあり、バリ文化に触れる観光も楽しめます。
セブ島・バリ島の治安
セブ島とバリ島は、いずれも観光地として発展しているため、基本的には比較的安全なエリアとされています。ただし、海外旅行である以上、最低限の注意は必要です。セブ島では、観光地や高級ホテル周辺は警備が行き届いていますが、夜間に人気の少ない路地やローカルエリアへ出かけるのは避けましょう。
バリ島も同様に、観光客向けのエリアでは治安が保たれています。特にウブドやヌサドゥア、ジンバランなどの高級リゾートエリアは安心して過ごせる場所です。ただし、クタやデンパサールの繁華街ではスリや客引きによるトラブルも起きやすいため注意が必要です。いずれの島も、夜遅くの外出や知らない人からの過剰な勧誘には慎重に対応し、安全第一で行動することが安心な旅につながります。
セブ島・バリ島のおすすめ観光スポット6選

セブ島とバリ島には、自然や文化、アクティビティを存分に楽しめる観光スポットが数多くあります。それぞれの魅力を代表する6つのスポットを厳選して紹介します。次の旅行計画の参考にしてください。
セブ島の観光スポット
セブ島は、美しい海と豊かな自然が魅力のリゾート地で、海洋アクティビティの宝庫です。特にジンベイザメと泳げるオスロブ、ウミガメと出会えるモアルボアル、そして長い桟橋が印象的なナルスアン島は、セブ島を訪れるなら外せない人気スポット。海とふれあう忘れられない体験が待っています。
ジンベイザメと泳げるオスロブ

セブ島南部に位置するオスロブは、世界最大の魚類・ジンベイザメと一緒に泳げることで世界中から注目を集めています。体長6〜10メートルもの巨大なジンベイザメが目の前を悠々と泳ぐ姿は圧巻。シュノーケリングはもちろん、ライセンスを持っていればダイビングでもより近くで観察することができます。
ジンベイザメは非常に温厚な性格で、人に危害を加えることはありません。セブ市内からは車で約3〜4時間と距離がありますが、その価値は十分。一生に一度の出会いを求めて、ぜひ足を運んでみてください。
ウミガメと泳げるモアルボアル

セブ島西部のリゾート地・モアルボアルは、ウミガメとの遭遇率が非常に高いことで知られています。サンゴ礁が広がる透き通った海では、のんびりと泳ぐウミガメの姿を間近で見ることができ、初心者でも安心してシュノーケリングを楽しめます。また、もう一つの名物が「イワシトルネード」。
何千匹ものイワシが渦を巻くように群れをなして泳ぐ姿は、自然の驚異を体感できる圧巻の光景です。ビーチ沿いにはカフェやリゾートホテルもあり、のんびり過ごすのにもおすすめ。マリンアクティビティ好きにはたまらないエリアです。
ナルスアン島

ナルスアン島は、セブ島のマクタン島からボートで約30分の距離にある小さな離島です。島のシンボルとも言える長い桟橋の先には、遠浅で透明度の高い海が広がり、シュノーケリングにぴったりな環境が整っています。桟橋の下にはカラフルな熱帯魚が集まり、足元で泳ぐ姿に癒されます。
島にはビーチチェアやレストランもあり、のんびりとした時間を過ごすのにぴったり。日帰りツアーが豊富で、手軽に南国の美しさを満喫できます。泳ぎが得意でない方やファミリーにも安心のスポットです。
バリ島の観光スポット
バリ島は、壮大な自然と豊かな文化が融合した魅力的な観光地です。ウルワツ寺院は、断崖絶壁に建つヒンドゥー教寺院で、美しい夕日が特に有名です。また、ランプヤン寺院は「天国の門」として知られ、アグン山を背景にした幻想的な景観が楽しめます。
さらに、ウブドの棚田や伝統舞踊、ヌサペニダ島のクリンキンビーチなど、訪れるべきスポットが点在しています。伝統的な市場でのお買い物やフィリピンの料理も楽しめるため、文化と自然を存分に満喫できる場所です。
ウルワツ寺院

バリ島の南西部に位置するウルワツ寺院は、インド洋を見下ろす断崖絶壁の上に建てられたヒンドゥー教の聖地です。11世紀に創建されたとされ、海の神を祀る重要な寺院のひとつとして知られています。夕暮れ時には、沈む夕日と寺院が織りなす幻想的な風景が広がり、特に観光客に人気の時間帯。
また、毎晩開催される伝統舞踊「ケチャダンス」も見逃せません。寺院周辺には野生の猿が多く生息しており、かわいらしい反面、持ち物には注意が必要です。自然と信仰が共存するバリ島を象徴するスポットです。
ランプヤン寺院

バリ島東部のアグン山の麓に位置するランプヤン寺院は、「天空の門」として世界中の旅行者に知られる神秘的な場所です。門の中央からは、天候が良ければ荘厳なアグン山を背景にした幻想的な写真が撮れることで大人気。正式名称は「プナタラン・ランプヤン寺院」で、バリ島の六大寺院のひとつに数えられます。
寺院へは急な階段を登る必要があり、少し体力が求められますが、その分到着したときの達成感と絶景は格別です。早朝に訪れると、空気も澄んでおり、静かな霊気に包まれる特別な体験ができます。
テガララン・ライステラス

ウブド近郊に広がるテガララン・ライステラスは、バリ島を代表する絶景のひとつ。なだらかな丘に沿って何層にも重なる棚田は、まるで緑の階段のように美しく、訪れる人々を魅了します。特に朝の時間帯は、柔らかな光と霧が棚田に差し込み、幻想的な雰囲気を楽しめます。
棚田の中には遊歩道が整備されており、のんびりと散策を楽しむのにぴったり。周辺にはテラスを見下ろせるカフェや、スウィング(空中ブランコ)体験もあり、フォトジェニックな旅を求める人にも人気です。自然と共存するバリの暮らしを体感できる貴重なスポットです。
セブ島・バリ島のおすすめ料理

セブ島とバリ島は、リゾート地としての魅力だけでなく、食文化でも旅行者を楽しませてくれます。どちらも現地の食材を活かした料理が揃い、旅行中の食体験をさらに豊かにしてくれます。
それぞれの地域でぜひ味わってほしい名物料理を4つ紹介します。フィリピンの味覚を通じて、その土地ならではの魅力を感じてみてください。
レチョン
レチョンは、セブ島が誇るご当地名物料理で、丸ごとの豚を香草とスパイスで味付けし、炭火でじっくりと時間をかけてローストした豪快な一品です。外はパリパリ、中はジューシーな仕上がりで、「セブのレチョンがフィリピンで一番美味しい」と称されるほどの人気ぶり。
現地の食堂では1人前約150〜250ペソ(約400〜700円)で楽しめます。特に現地の人々が集まる「カーサ・ヴェルデ」や「リコズ・レチョン」などの専門店は、旅行者にも好評。お祝いの席や特別な日の料理として親しまれており、食文化の一部として定着しています。
ハロハロ
ハロハロは、フィリピンを代表するデザートで、セブ島でも街角のカフェやショッピングモールのフードコートなどで気軽に楽しめます。名前の意味は「混ぜこぜ」で、その名の通り、クラッシュアイスの上にウベアイス、ゼリー、豆、バナナ、レチェフラン(プリンのようなもの)など、多彩な具材がのっています。
食べる前によく混ぜるのが本場流で、甘さと食感のバラエティが楽しい一品。1杯あたり約80〜150ペソ(約250〜450円)ほどとリーズナブルで、暑いセブの気候にぴったりな涼感スイーツです。見た目もカラフルでSNS映えするため、観光の合間の休憩や、食後のデザートにぴったりです。
バビグリン
バビグリンは、バリ島の伝統料理のひとつで、香辛料とハーブで味付けした豚を丸ごとローストした豪快な一品です。バリ語で「バビ」は豚、「グリン」は回すという意味があり、じっくり回転させながら焼き上げることで、皮はパリッと、肉はしっとりと仕上がります。
お祝い料理として提供されることが多いですが、観光客向けのレストランでも提供されており、人気店ではプレート料理として約50,000〜70,000ルピア(約500〜700円)ほどで楽しめます。ウブドにある「イブオカ」は特に有名で、バリ島の人々も通う名店。ご飯と野菜、サンバル(辛味調味料)と一緒に盛られたプレートは、まさにバリの味覚を凝縮した一皿です。
ナシゴレン
ナシゴレンは、インドネシア全土で愛されている炒めご飯料理で、バリ島でも日常的に食べられている定番メニューです。ナシ(ご飯)とゴレン(炒める)という意味の通り、ニンニクやエシャロット、甘辛いケチャップマニスで味付けされ、具材には鶏肉やエビ、野菜が使われることが一般的。
レストランやワルン(屋台食堂)などさまざまな場所で提供されており、1皿約30,000〜60,000ルピア(約300〜600円)とリーズナブルなのも魅力。日本人の口にも合いやすく、初めてのバリ料理にもおすすめです。手軽で美味しく、旅のエネルギー補給にぴったりな一品です。
セブ島・バリ島からあわせて行きたいスポット
セブ島やバリ島はそれ自体で十分魅力的ですが、周辺の離島も素晴らしい観光地です。
それぞれから簡単にアクセスできるおすすめの離島スポットを紹介します。旅のスケジュールに余裕があればぜひ足を延ばしてみてください。
セブ島から行くボホール島
セブ島からフェリーで約2時間のボホール島は、美しい自然とユニークな観光地が魅力です。世界的に有名な「チョコレートヒルズ」は、雨季と乾季で色が変わるユニークな丘陵地帯で、一見の価値があります。
また、小型の霊長類であるターシャ(メガネザル)が見られるターシャ保護区も人気です。さらに、パングラオ島の白砂ビーチはリラックスするのにおすすめで、シュノーケリングやダイビングを楽しむこともできます。
バリ島から行くヌサペニダ(ペニダ島)
バリ島の南東に位置するヌサペニダ島は、エキゾチックな自然と絶景が広がる離島です。サンペラン港から高速ボートで約45分で到着でき、日帰り旅行にも適しています。
特に有名なのは「クリンキンビーチ」と呼ばれる恐竜の背中のような断崖絶壁が特徴のスポットで、息をのむような景色が楽しめます。また、透明度の高い海ではダイビングやシュノーケリングでマンタと泳ぐ体験も可能です。
セブ島・バリ島旅行は誰と行くのがおすすめ?
セブ島とバリ島は、旅行のスタイルによって異なる魅力を持つリゾート地です。家族や子ども連れには安心して楽しめるアクティビティや施設が充実し、新婚旅行やカップルにはロマンチックな絶景や高級リゾートがぴったり。誰と行くかによって、過ごし方がぐっと変わる旅先です。
家族・子連れ
家族旅行や子連れにおすすめなのは、アクセスが良く、治安も比較的安定しているセブ島。透明度の高いビーチやリゾートホテルには、キッズ向けプールやアクティビティが整っており、小さな子どもでも安心して楽しめます。アイランドホッピングや水族館、ショッピングモールなども家族で気軽に楽しめるスポットが豊富です。
バリ島では、ウブドの自然体験や伝統舞踊鑑賞など、教育的な要素も含んだ観光ができ、親子で異文化に触れる貴重な機会に。どちらの島も日本語対応スタッフがいる施設があり、家族旅行でも安心して滞在できます。
新婚旅行・カップル
ロマンチックなひとときを過ごしたいカップルや新婚旅行には、非日常感あふれるバリ島がおすすめです。オーシャンビューのヴィラやスパ付きのラグジュアリーホテルが多く、2人きりのプライベート空間を満喫できます。ウルワツ寺院でのサンセットや、ランプヤン寺院での神秘的な風景は、一生の思い出に残る美しい体験となるでしょう。
一方、セブ島も、青い海に囲まれたリゾートステイやジンベイザメとのスノーケリングなど、アクティブで印象的なデートを楽しめます。2人のスタイルに合わせて選べる、魅力的な旅先です。
まとめ
セブ島とバリ島は、それぞれに魅力的な特徴を持つリゾート地です。アクセスや滞在スタイル、同行者に応じて選ぶことで、思い出に残る旅行ができるでしょう。
また、離島を訪れることでさらに旅の充実感が増します。次の休暇には、どちらかの島を選んで特別なひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか?