フィリピン中部に位置するセブ島は、美しいビーチや豊かな自然、歴史的な観光名所で知られる人気のリゾート地です。この島では異なる言語が融合し、独自の文化が形成されています。
旅行者にとって言語はその土地を理解する重要な手がかり。セブ島を訪れる際に知っておくと便利な言語事情を詳しく解説します。英語が通じやすいと言われるフィリピンですが、セブ島ならではの言語も存在します。
フィリピン・セブ島の言語概要

フィリピンは多言語国家であり、地域ごとに異なる言語が話されています。セブ島では、主要な言語として「セブアノ語(ビサヤ語)」が使われていますが、英語やタガログ語も広く通じます。
この多言語環境は、訪れる観光客にとって便利な一方、フィリピンの文化をより深く知る機会を提供します。それでは、フィリピン全体の公用語や、セブ島で使用される言語について詳しく見ていきましょう。
フィリピンの公用語は「タガログ語」
フィリピン全体の公用語として採用されているのは「タガログ語(フィリピノ語)」です。この言語は、フィリピン中部から南部にかけて広がる多くの島々で使用されていますが、特に首都マニラを中心とした地域で最も多く話されています。学校教育や政府機関でも公式に使用されるため、フィリピン人の多くが理解できる言語です。
ただし、セブ島ではタガログ語は主要言語ではなく、日常会話ではあまり使用されません。そのため、セブ島を訪れる際には、タガログ語よりもセブアノ語や英語が役立つことが多いです。
セブ島の公用語は「セブアノ語(ビサヤ語)」
セブ島を訪れる際に覚えておきたいのが「セブアノ語」、または「ビサヤ語」と呼ばれる言語です。この言語は、セブ島を中心に周辺のビサヤ諸島やミンダナオ島でも広く使用されています。フィリピン国内で2番目に多く話されている言語でもあり、セブ島の住民にとっては日常会話の中心です。
発音が独特で、音楽的なリズムが特徴的なセブアノ語は、現地の文化を深く理解する鍵となります。旅行中に簡単な挨拶やフレーズを覚えれば、現地の人々との交流が一層楽しくなるでしょう。
フィリピンの第二言語は「英語」
フィリピンの大きな特徴は、英語が事実上の第二言語として機能していることです。教育機関やビジネス、メディアなど、多くの場面で英語が使用されており、特に観光地では英語が広く通じます。セブ島も例外ではなく、多くの住民が英語を話すことができるため、旅行者にとって非常に便利です。
英語を使ってホテルやレストランでのやり取りがスムーズに行えるほか、観光地での案内板やメニューも英語表記が多く見られます。英語の普及率が高いセブ島は、海外からの観光客にとって快適な滞在先といえるでしょう。
セブ島で覚えておきたい言語フレーズ

セブ島では、英語が通じる場面が多いとはいえ、現地の言葉で挨拶や簡単なフレーズを覚えておくと、現地の人々とより親密なコミュニケーションが楽しめます。
ここでは、セブアノ語(ビサヤ語)の基本フレーズをシーンごとにご紹介します。旅行中に役立つフレーズを活用して、セブ島での滞在をさらに充実させましょう。
挨拶
旅先での第一歩は、やっぱり挨拶から。「マアヨンブンタグ(おはよう)」、「マアヨンウト(こんにちは)」、「マアヨンガビイ(こんばんは)」の3つは覚えておきたい基本の挨拶です。誰かとすれ違ったときや、お店に入るときに使うだけで、相手の表情がパッと明るくなります。
現地の人々はフレンドリーで親しみやすいため、簡単な挨拶でもしっかり気持ちが伝わります。笑顔を添えて話すだけで、セブ島の温かい空気をさらに感じられるでしょう。
- Maayong buntag(マアヨン ブンタグ):おはよう
- Maayong udto(マアヨン ウト):こんにちは(正午ごろ)
- Maayong gabii(マアヨン ガビイ):こんばんは
- Kumusta ka?(クムスタ カ?):元気ですか?
- Maayo ra ko(マアヨ ラ コ):元気です
- Ayo-ayo(アヨアヨ):気をつけてね/じゃあね
- Salamat(サラマット):ありがとう
- Walay sapayan(ワライ サパヤン):どういたしまして
買い物
ローカルマーケットやお土産屋さんで役立つのが、買い物フレーズです。値段を尋ねる「ピラニ?(いくらですか?)」は必須ワード。気になる商品を指さしてこの一言を言えば、すぐに値段を教えてくれます。数字が苦手な人でも、電卓を見せながら交渉するのが一般的なので安心です。
- Pila ni?(ピラ ニ?):これはいくらですか?
- Mahal(マハル):高い
- Barato(バラト):安い
- Pwede mohangyo?(プウェデ モハンギョ?):まけてもらえますか?
- Tagpila ni tanan?(タグピラ ニ タナン?):全部でいくらですか?
- Nindot ni(ニンドット ニ):これ、素敵ですね
- Salamat(サラマット):ありがとう
観光
観光中に使えるビサヤ語を知っておくと、道に迷った時や写真を撮りたいときにも安心です。場所を尋ねる「アサアン◯◯?(◯◯はどこですか?)」は、教会やビーチ、レストランなどを探す時に便利です。
ちょっとした疑問やお願いも、英語と混ぜながら使うことで、会話の幅が広がります。現地の文化や人とのつながりを深めるうえでも、積極的に使ってみたいフレーズです。
- Asa ang ◯◯?(アサ アン ◯◯?):◯◯はどこですか?
- Pwede ko mag-picture?(プウェデ コ マグ ピクチャー?):写真を撮ってもいいですか?
- Kuyog ta?(クヨグ タ?):一緒に行ってもいい?
- Lami ang tan-aw(ラミ アン タンアウ):きれいな景色ですね
- Gusto ko moadto sa beach(グスト コ モアド サ ビーチ):ビーチに行きたいです
- Gwapo/Gwapa(グワポ/グワパ):かっこいい/かわいい
飲食店
セブ島ではローカル料理から国際色豊かなグルメまで楽しめます。レストランや屋台で役立つフレーズもぜひ覚えておきましょう。
まこうしたひと言を添えるだけで、ローカルなお店でも安心して食事を楽しむことができます。美味しさを現地の言葉で伝えることで、店の人もきっと喜んでくれるはずです。
- Ganahan ko ani(ガナハン コ アニ):これをください
- Unsa inyong specialty?(ウンサ イニョン スペシャルティ?):おすすめ料理は何ですか?
- Walay baboy?(ワライ バブイ?):豚肉は入っていませんか?
- Lami kaayo(ラミ カアユ):とても美味しい!
- Busog na ko(ブソグ ナ コ):お腹いっぱいです
- Salamat sa pagkaon(サラマット サ パグカオン):ごちそうさまでした
- Pwede ko mangayo og tubig?(プウェデ コ マンガヨ オグ トゥブイグ?):お水をもらえますか?
生活
セブ島での滞在中、ホテルやローカルの家庭、スーパーなどで日常的に使えるビサヤ語フレーズを覚えておくととても便利です。ビサヤ語を少しでも使うと、相手も親しみを込めて対応してくれることが多く、セブでの生活がより快適になります。
- Asa ang CR?(アサ アン シーアール?):トイレはどこですか?
- Naay tubig?(ナアイ トゥブイグ?):お水はありますか?
- Naay Wi-Fi?(ナアイ ワイファイ?):Wi-Fiはありますか?
- Naa koy labada(ナア コイ ラバダ):洗濯物があります
- Walay limpyo(ワライ リンピョ):掃除がされていません
- Palihug(パリフグ):お願いします
- Salamat(サラマット):ありがとう
気持ち
感情を伝える言葉を知っておくと、現地の人との心の交流がより深まります。嬉しい、楽しい、疲れたなど、簡単な気持ちの表現を覚えてみましょう。旅先でのハプニングや感動を伝えるとき、自分の気持ちを素直に話せると交流がもっと楽しくなります。ビサヤ語で感情を表現することで、思い出深い会話が生まれるかもしれません。
- Lipay ko(リパイ コ):嬉しいです
- Gikapoy ko(ギカポイ コ):疲れました
- Nahadlok ko(ナハドロク コ):怖かったです/驚きました
- Giugmo ko(ギウグモ コ):悲しいです
- Nasuko ko(ナスコ コ):怒っています
- Ganahan ko nimo(ガナハン コ ニモ):あなたが好きです
- Nami-miss tika(ナミミス ティカ):あなたが恋しいです
数字
買い物や時間、人数など、旅行中は数字を使う機会が意外と多いもの。ビサヤ語の基本の数字を覚えておくと、会話がぐっとスムーズになります。
「Duha ka tubig(ドゥハ カ トゥブイグ)=水を2本」など、物の数え方もシンプルです。数を使えるだけで、現地でのやり取りがずっと楽になります。
- 1:Usa(ウサ)
- 2:Duha(ドゥハ)
- 3:Tulo(トゥロ)
- 4:Upat(ウパット)
- 5:Lima(リマ)
- 6:Unom(ウノム)
- 7:Pito(ピト)
- 8:Walo(ワロ)
- 9:Siyam(シヤム)
- 10:Napulo(ナプーロ)
- 100:Ciento(シェント)
- 1000:Libo(リボ)
ほめ言葉
セブの人たちはとてもフレンドリー。ほめ言葉をかけると、すぐに笑顔が返ってきます。簡単な表現を覚えて、ぜひ積極的に使ってみましょう。
ほめ言葉は言われて嬉しいだけでなく、場の雰囲気を和らげる魔法のような表現。ビサヤ語で伝えると、その思いがより強く相手に届きます。
- Gwapo(グワポ):かっこいい(男性)
- Gwapa(グワパ):きれい/かわいい(女性)
- Maayo ka(マアヨ カ):あなたは上手ですね
- Nindot kaayo(ニンドット カアユ):とても素敵です
- Lami kaayo(ラミ カアユ):とても美味しい!
- Maayo pagka luto(マアヨ パグカ ルト):料理が上手ですね
- Na-inspire ko nimo(ナインスパイア コ ニモ):あなたに感動しました
まとめ
セブ島を訪れる際に、現地の言葉を少しでも使うと、現地の人々との交流が深まり、旅の思い出がより豊かなものになります。
今回ご紹介したセブアノ語フレーズを活用して、セブ島での滞在を満喫してください。言葉を通じて感じる温かさは、きっと忘れられないものになるでしょう。